ミックスダウンには欠かせないコンプレッサー
スレッショルドやレシオなどは、操作していくうちに役割を覚えたと思いますがコンプの種類について意識したことはありますか?
実はコンプには大まかに分けて、
- 真空管方式
- 光学式(Optical)
- FET 方式
- VCA方式(電圧制御型
の4つがあります。 それぞれに個性があり様々なシーンで得意不得意があります。これらの特徴を知って、ミックスにさらに磨きをかけましょう
実際に音源を用意して聴き比べてみます
生ドラムをマイク取りした物のマスターに4種類のコンプを掛けてみます。
それぞれ5dbほどリダクションされるように設定しました
元の音源がこちらです
元の音源
1.真空管方式
多分一番レアな方式が真空管方式です。真空管を通すことにより、倍音が足され、通すだけでも若干音が変わります。
歪み成分が足され音が前に出てきつつもやわらかい潰れ方をし、角の取れた音になります。
一番有名なのはフェアチャイルド 670のシリーズです
1950年代に発売されたコンプですが、現在中古が出れば300万以上で取引されています。
各社がシミュレートしたプラグインを発売していて、Wavesの場合はPuigChild670です。
この音源もPuigChildを使用したものです
ハットの角がとれ、スネアに暖かさが出たように感じます
2.光学式(Optical)
光学式は、入力音の大きさを光に変換し、明るさを受光体で受け、その光の強さによってコンプのかかり具合を調整しています。
光と言われれば、さっと早くかかりそうですがイメージとしてはふわふわとした電球で、マイルドなかかり方をします。
多くの場合アタックタイムも触れず、かなりアタックタイムが遅いです。
その分かかり方はナチュラルで、声やストリングスなどの音量を整えたり、質感を柔らかくしたいときに使えると思います。
LA-2や、LA-3が有名です
こちらもwaves CLA-2Aをかけたものです
3.FET
FETは、電界効果トランジスタの略で、トランジスタで入力による電圧によって電流を制御します。レスポンスの良さと質感のクリーン感が売りです。
UNIVERSAL AUDIOの1176がEFT系コンプの代表格でしょう
アタックタイムやリリースタイムを早くとれ、ソリッドに効くので質感を変えるのに使いやすいですが、掛け取りなどであまり深く掛けていると取り返しのつかないことになるので注意が必要です。
WavesのCLA-76を掛けた音がこちらです
音が締まり、質感を変えやすいです。
4.VCA方式
VCAとはVoltage Controlled Amplifierの略で、入力から出力の間にアンプがあり、そこで電圧を制御することにより、音量をコントロールしています
比較的新しい方式で、パラメーターに対する反応が一番早く、かかり方が鋭いです。オールマイティーに使用しやすいコンプが多いです。
有名どころで、dbx160系やSSLのコンプシリーズなどがあります。
WavesのSSLCompを使用しました
一番コンプ感が強いですが、パラメーター次第でナチュラルになっていきます。
CLA-2、CLA-76は
などに収録されています